札幌圏に在住する登別市に縁のある個人や法人で組織する「札幌のぼりべつ会」(植田健二会長)の「新年研修会」が1月28日、札幌市中央区アスティ45ビル13階会議室で50人が出席して開かれました。
令和初の研修テーマは、「鉄は国家なり!~鉄を作り続けて見えてきた『日本のものづくり』の未来~」。日本古来の製鉄法である「たたら製鉄」の普及に尽力する登別市在住で「室蘭・登別たたらの会」代表の石崎勝男氏(74)を講師に招き、北海道の製鉄の歴史を中心に学びました。
「たたら」とは、原材料の砂鉄と木炭を、粘土と煉瓦で作った炉に入れ、ふいごで風を送りながら純度99%以上の鋼(はがね)を作り出す古来の製鉄技術。砂鉄は室蘭・イタンキ浜で採取、炉を作る粘土も木炭の材料・ナラの木も地元で調達しています。「良い鉄造りは、良い炉が欠かせない」。講演で石崎さんは、原料の砂鉄や、それをもとに製品化した包丁、釘などを手に1時間半にわたって熱弁をふるいました。話が終わると大きな拍手がおくられました。出席した札幌のぼりべつ会の宮高憲一顧問は「わが街の鉄の歴史が分かる素晴らしい内容でした。今度はぜひ、『東京登別げんきかい』でも披露してほしい」とエール。石崎さんも「ものづくりのすばらしさを今後も伝えたい。どこへでも行きますよ。子供たちが鉄のできる工程に目を輝かせ、喜ぶ顔が一番」と、目を細めていました。
竹の指示棒を持ち、鉄づくりの歴史を熱く語る石崎さん
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